「認知症サポーター」をご存知ですか?
認知症になると、記憶障害などから不安に陥り、その結果、周囲の人との関係でトラブルになってしまうことがしばしばあります。しかし、周囲の理解と気遣いがあれば、地域の中で穏やかに暮らすこともできます。
認知症について正しく理解し、偏見を持たず、認知症の方や家族を地域で見守り、支援するのが「認知症サポーター」です。
地域や企業内で、「認知症サポーター養成講座」が開催されています。
あなたも「認知症サポーター養成講座」を受けて、優しいまちづくりを担う、一員になってくれませんか?
認知症とは?
「認知症」という言葉はよく聞かれるようになったけれど、「認知症」の人と接したことがないから、どんなことで困るのか?よく分からない人もいるよね。
核家族化が進んで、祖父母と同居している家庭も少なくなったし、小中学生のおじいさん、おばあさんは50〜60代の場合もあるから、なかなか、認知症の方と関わる機会は少ないだろうね。
管理者は、地域包括支援センターというところで、働いています。
小中学生を対象に、「認知症サポーター養成講座」を開催することもありますが、講座を受ける前に「認知症」のことを知っている子は、ほとんどいません。
「認知症」って、どんな病気なのかな?
いい質問ですね!
そう、認知症は、病気なのです。ただし、「認知症」という病気があるのではなくて、記憶障害を中心とする症状がでる病気を総称して「認知症」とよんでいます。
「認知症」を引き起こす病気には、アルツハイマー型認知症、脳梗塞や脳出血などの脳の血管の病気、レビー小体型認知症、前頭側頭葉型認知症といった病気があります。いずれも、脳の機能が障害されることによって、記憶障害や失行(手順ややり方がわからなくなること)・失認(物事を正しく認識できなくなってしまうこと)といった症状が引き起こされてきます。
「認知症」は治るのかな?
「認知症」については、世界中の研究者が治療法を研究しています。しかし、現時点でなってしまった「認知症」を治すことはできません。死んでしまった神経細胞を再生させたり、神経細胞が死んでしまうことを防ぐ方法がないからです。
現在保険適用とされている認知症の薬は4種類ありますが、いずれにしても、認知症の進行を遅らせる効果は認められているものの、進行を止める効果はないとされています。
治らないのか・・・
そうしたら、どうすればいいのかな?
忘れていくこと、手順がわからなくなること、認知症の進行に伴って、そういった状況が増えてきます。認知症は、ある日突然何もかもわからなくなってしまう病気ではなく、少しずつ進んでいくものなので、認知症になった本人も「また、忘れちゃったな」「あれ、わからなくなっちゃった」と気がついています。そして、不安になるのです。
わからない、忘れていくということを感じているのは、不安だよね。
「わからない」「どうしよう」という不安な気持ちが膨らんで、気持ちが塞ぎ込んでしまう方もあります。また、自分が忘れてしまっているという事実を受け止められず、また、出来事そのものの記憶が抜け落ちてしまうので、自分がしまい込んだ大事なもの(財布や通帳など)を「家族に盗られた」と本気で思ってしまうこともあるのです。
「認知症」のことを知らないと、家族から「盗られた」なんて言われたら、びっくりしちゃうし、ケンカになっちゃいそうだね。
そうなんです!
「認知症」について、知ってもらうことが、認知症になった方も、まわりの人も穏やかに暮らしていくためにはとっても有効なんです。
地域の皆様に、広く「認知症」を知ってもらい、地域での暮らし、生活をサポートしていただくことを目的に各地で「認知症サポーター養成講座」が開催されています。
認知症サポーターとは?
認知症サポーターとは、認知症についての正しい知識と理解を身につけた人のことです。特別に活動を要求されることはありませんが、自分のできる範囲で、友人や家族に知識を伝える、認知症になった人や家族の気持ちを理解し、支えになるような手助けをすることが役割です。
認知症サポーター養成講座はどこで受けられるの?
認知症サポーター養成講座は、地域や職域団体等で、住民講座、ミニ学習会として開催されています。
お住まいの地域の広報に掲載されたり、ホームページで開催のお知らせがなされることもあるそうです。
ポイント
お電話で、お住まいの各市区町村役所・高齢者福祉の担当窓口に尋ねるのもよいでしょう。
キャラバンメイトの皆様へ
コロナ禍後の世相を盛り込んだ寸劇シナリオを作成いたしました。
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まとめ
認知症は病気で、残念ながら、治ることはありません。でも、急に何もかもわからなくなってしまうのでも、違う人のようになってしまうのでもないのです。多くの場合、ゆっくりと進行していきます。ご本人も「何かおかしい?」「また、忘れてしまった」と気がついていて、「もっとひどくなったら、どうしよう」などと不安に感じています。そのような時に、優しく「どうしましたか?」とか、「大丈夫ですよ」の一言で、ほっとできる場合も多いのです。
現在、65歳以上の約16%が認知症であると推計されていますが、80歳代の後半であれば男性の35%、女性の44%、95歳を過ぎると男性の51%、女性の84%が認知症であることが明らかにされています。(「東京都健康長寿医療センター研究所」HPより抜粋➡️)人生100年時代、あなたやあなたの身近な人が、認知症になる可能性も高いのです。
まずは、認知症を知って、あなたも優しいまちづくりを担う、一員になってくださいね。
最後まで、読んでいただき、ありがとうございました!!